ペアローンの場合の住宅ローン控除注意点

ペアローンの場合の住宅ローン控除注意点

ペアローン(ご夫婦で組むローン)を利用しての住宅ローン控除は、とても大きなメリットもあり、角度を変えて見るとデメリットもあります。

まずメリットから。
住宅ローン控除の適用額(最大年額28万円:消費税課税物件の場合)は夫婦それぞれの持ち分に応じて適用されます。

モデルケースとしては、ご主人3000万円、奥様が2000万円で合計5000万円のローンを組んだ場合、ご主人の住宅ローン控除は初年度21万円、奥様は14万円となり、本来ご主人だけで5000万円ローンを組んだ場合には18万円が最大値であったのに対して17万円多く控除を受けることができます。
 

このメリットに対してデメリットの点としては、ペアローンは住宅ローンをそれぞれが組むことになりますので(上記モデルではご主人3000万円、奥様2000万円)団信もそれぞれの借り入れ額に応じてついてきます。

ご主人が亡くなった場合、ご主人の3000万円に対する支払いは保険会社が代位弁済をすることによってなくなりますが、奥様のお支払いは変わらず続きます。
ペアローンの場合はこの点も踏まえてご検討をしていただく必要がございます。

これに対するリスクヘッジで、かつ二人でローンを組んで住宅ローン控除を二人で受け、さらにご主人に全額の団信を設定できるローンもあります。

それがフラット35です。
フラット35を夫婦で組む場合は、連帯債務ローンといい、ペアローンと違ってローンは1本になります。
上記モデルでは、5000万円のローンをご主人の持ち分10分の6、奥様の持ち分10分の4と按分することによって、住宅ローン控除は持ち分に応じてご主人5000×0.7 %×10分の6=21万円、奥様5000×0.7%×10分の4=14万円とペアローンの場合と全く同じになります。
決定的な違いとして、フラット35の標準団信はご主人か奥様どちらかに100%適用するものになります。そのため、一般的にはご主人に団信をかけますのでご主人に万が一があった場合には奥様はローンの支払いをすることなく、安心してそのお家に住み続けることができます。

また、金利は上がりますが夫婦連生デュエットという団信のオプションに加入する場合はご主人、奥様のいずれかが亡くなった場合と一定の高度障害に認定された場合にローンがなくなるものもございます。

 

ちなみに静岡銀行で【愛のかたち】という商品が2022年夏頃よりリリースされ、金利上乗せ0.1%でご夫婦のどちらが亡くなってしまった場合にもローンが全額無くなるという商品(フラット35の夫婦連生デュエットと同じ)が出てきました。

この金利でできるのはかなり魅力的だと思います。